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【見砂直照という人】
今まさに「あい御影」さんのCDを製作真っ只中で、曲アレンジなど就寝は朝方になる毎日をおくっている。
「あい御影」さんといえば昔私が所属したメンバー20数名からなる一世を風靡した超ラテンバンド「見砂直照と東京キューバンボーイズ」にもゲスト出演し、芸術祭賞を受ける等輝かしい功績を数多く打ち立てている大歌手であるのは言うまでもないが、その大歌手をラテンというジャンルの大歌手に育て上げたのは「見砂直照」氏であると、御影さんから聞いた。
ここで御影さんを語る前にまず、最も尊敬する我等のマエストロ「見砂直照」氏から触れてみたい。
私が最も尊敬しているということを申し上げた上での話である事は理解して頂き、以下の話に進むこととしよう。
この話はさらに私の先輩からの伝説であるが、大昔公演旅行中、今で言うコンサートツアーであるが、朝、かの先輩の部屋へマエストロがいきなり飛び込んで来、何故か口の周りが真っ黒。
「この歯磨きはすごくマズイ」というマエストロの持っている歯磨きを良く見ると「靴クリーム」と書いてある。
コンサート等では、概ね私達パーカッション群は一番前、マエストロのすぐそばで演奏する事が多く、マエストロはマラカスを振りながら指揮をする。
興が乗ってくるとマラカスを振り回しすぎ、私たちの頭にぶつけることなど日常茶飯事。
その上「バールルロー」と巻き舌で怒鳴る。
公演後、「さっき演奏中怒ってましたけど何だったんですか?」と聞くと「怒ってないよ。良い感じだ『ブエノ』って言ったんだよ」 「だって頭叩いたでしょ?」「そうか?」だって。
演奏した曲のエンディング。最後のコード、一番最後にドカーンと一発鳴らすあれである。 マエストロは当然いつもの様に曲に没頭しているので、全力で指揮する。
この時は我々の方、後ろを向いて指揮するわけであるから聴衆は知らないと思うが、だんだん血が上り、顔が真っ赤に上気してくる。
現在でも「TONES」で一緒にやっているベースの「エヘラ」と顔を見合わせ「大丈夫かな?」とよく心配したものである。
当時70歳にまさにならんとしているマエストロ、何歳になっても興奮するほど音楽が大好きなマエストロであった。
次号に続く。
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