【マイナー】

 曲という物は大きく分けて「メイジャー」か「マイナー」このどちらかの和音構成で、出来上がっている。 
 簡単に説明すると、三和音「ド・ミ・ソ」のミの音がそのままか半音下がる(短三度)か、構成曲の違いで、これがテンポ、或いはリズムによって一概にはいえないが、総じて明るく感じる曲が「メイジャー」、暗く感じる曲が「マイナー」と思って良い。
 自分の活動が思うように出来きなくなるので「有名(メイジャー)になりたくない」と本気で思っている、変ったミュージシャンも中にはいるが、人より抜きんでた結果、有名になってしまったことを厭だと思う人は居ない。
 殆どの世界の人が「メイジャー」(この場合表舞台の意)になることを目指し、その反動から「暗く沈んだ物」にある面憧れる。
 音楽もしかりで、特にジャズなど「暗く沈んだ孤独」を表現したものを好む。じゃ、性格的にもそういう傾向にあるのかというと、と〜んでもない、80%を超えるミュージシャンがハチャメチャな「メイジャー」である。ないものねだりの一種か「マイナー」の曲は何故かかっこよく、筆者も実際{かっこいい}と思っている。
 その結果、なんと「マイナー曲」の多いことか。
 判りやすくいえば、「マイナー」の「演歌」は、人生の、恨み、失恋などをテーマにして共感する部分が多々ある。それに引き替え「股旅物」等に代表される「メイジャー」の「演歌」は、好きな人には明るさが堪らない良さであろうが、「演歌」を好まない人達には、その明るさがだめらしい。かっこいい曲を作るのはあらゆる意味で永遠のテーマだが、曲作りになれてくると、サウンドの綺麗な「メイジャー」の中でかっこいいところを探し始める。
 近年日本人の耳も和音の感覚に慣れ、昔の人ほど「メイジャー」を苦手としなくなってきた。自分の芸術、努力を中々認めてくれない世間に対し、卑屈になってしまう現れが「マイナー」なのか。
 世間に背を向け、卑屈になって酒ばかり飲んで過ごすと、バブルがはじけるように才能も泡と化し「炭酸度」(短三度)の多い人生になってしまう。
 それもまたある意味{かっこいい人生}かもしれない。

2006.01