【ミュージシャンの必修科目 其の拾参】

15.【アテレコ】
(流れている音や曲にあわせて今やっているように見せること)

CDや、テープにしたり、ラジオ等の時は、聴衆に見えないので何の問題もないのだが、ステージ、TV、ビデオテープ等は、演奏をしているところが見えるため、音が出ているのに知らん顔をするわけにもいかず、音に合わせて実際に演奏しているまねをする。
なぜこんな無駄な事をしなければならないかというと、色々な場合があるが、例えばCDに特殊な音を使った時その楽器なり、そのものをステージやスタジオに持ち込めない場合CDの音を流して演奏する真似をする。また大人数での音が欲しいが、ステージなりその演奏場所にミュージシャンが並ぶスペースがない時。
或いは人数分のギャラを払う予算がない等の時。
その場合もっと寂しいのは、小人数ではあるがCDで演奏しているミュージシャン(ギャラが高い)の音が欲しい、しかし何十回というコンサートツアーにそのミュージシャン達を雇い切れない時。
TV等でも既成のバンドのメンバーだけではなくフリーの、TV番組で演奏できる程のクラスのミュージシャンはギャラ(時間給)も高い。したがって一つの番組に使う全部の曲を録音しても3時間位で終わってしまうとすると、一つの番組を作り終えるのに要する時間はリハーサルから本番終了までその3倍以上かかる。
高いミュージシャンはスタジオで録音してもらって3時間で終わらせ、番組をとるときはスタッフや、役者の卵達を各楽器のところにすわらせて演奏まねをし、絵柄をなんとかごまかして経費節約をする等の必要がある時。
様々な場合の「アテレコ」があるが、「アテレコ」とはちょいと意味が違うが、ついでにこんなことをちょっと紹介。
数年前に「ナタリー・コール」がだしたCDで、だいぶ前に亡くなっている彼女の父親「ナット・キング・コール」が生前歌ったレコードから、歌声だけを抜き出して今のアレンジに乗せ、彼女がそれとデュエットしているという時空を超えた素晴しい作品があったが、CD制作の技法としてこれなどは芸術ともいえる最高の名作であろう。
ちなみにこの場合はアフレコ(アフターレコーディング)という

2005.03