【ミュージシャンの必修科目 其の壱】

1.「トラ」
自分の仕事が同時に2カ所で入ってしまった場合、自分の責任において代役を立てる事を「エキストラ」の最後をとって「トラを立てる」といいます。 新人の頃、仕事が初めてダブった時に、自分が認められたという事が、それはもう嬉しくて嬉しくて前の日など眠れない程の興奮を覚えたものです。
そして、はたと「トラ」の事を考えたときに、先輩に頼む訳にいかず、かといってどういう演奏を自分の代わりにしてくれるかわからない人を「トラ」にたてるわけにもいかず、同僚で、もしかしたら自分よりも上手いかもしれないと思っているライバルを「トラ」に立てて次の仕事をそいつに取られても面白くないし、何ともはや、それはそれは複雑な気持ちになったものです。

慣れてしまうとライバル同志お互いに「トラ」に行ったり、行ってもらったり、といういい関係になって「お前っていい奴だよな」等と裏腹な言葉をはきながら、ベテランという人種に変身してミュージシャンという世界を自分本位に生きていく訳であります。

2.数の単位
1=ツェー 2=デー 3=エー 4=エフ 5=ゲー 6=アー 7=ハー 8=オクターブ  9=ナイン 10=ツェーじゅう
11=ツェーツェー(ツェーじゅうツェー)12=ツェーデー以下20=デーじゅう 30=エーじゅう・・・・と続く。000
クラシック音楽の人たちはドイツ語読みで統一しているようだがポップス界の人種は英・独・伊入り乱れて、早くいえば節操のない言語になっている。 10=ツェーじゅうのじゅうは日本語の十で当然百の単位はツェーひゃくとなる。0000000000000
確か小学校で習ったと記憶する音階の「ド・レ・ミ」(イタリア語圏)を日本式に言うと「ハ・ニ・ホ」というのを記憶されている
と思うが、これが英語圏になると[C・D・E](スィー・ディー・イー)独語圏になると(ツェー・デー・エー)となる。
なぜイ・ロ・ハと始めないのか。或いはA・B・Cと始めないのかは音楽上の話となるので別の機会にしますが、ミュージシャンは数をこのように数えます。
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「小泉君、君のスタジオランクはいくらだったかね?」「はい今年のランク申請で、一曲ツェー万ツェー千ツェー百ツェー十ツェー円(ベテランは円を省きしかも「ツェー並びです」と簡略化する)になりました」「そうか、俺ツェーゲー並びだけど、そのまま貰っちゃって良いから〇〇日トラやってくれる?ヒーコーでもおごるよ」
このように自由自在に使えるようになって、初めて一流ミュージシャンと呼ばれるようになります。

次回乞うご期待。

2004.03