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【某指揮者の逸話 其の参】
0今回も大反響である「O・M氏」の話である。
このコーナーで早くも見ぬO・M氏に対し、ファンクラブが出来つつある。 それほどにO・M氏が愛すべき人格であられたこと、改めて思う筆者である。 が、しかし、実際に結果として笑いものにしているかのごときであるがとんでもない。 最高の敬意を持ってこのコーナーを綴っている事、ご理解いただきたい。
0さて只今世界的大流行の『サルサ』であるが、社交ダンスコンテストにおいてO・M氏の右に出る指揮者は今も昔もいない。
0ダンサーが場合によって「曲のテンポを少し早くして踊りたい」などと言う事があるが「そのテンポではフォックストロットにならない」と一喝して却下。 このようにダンサーよりダンスの事に詳しく、感性の高さは誰からも一目も、二目もおかれていた。000筆者もO・M氏指揮でダンスコンテストの演奏に参加した事があるがそのテンポ感と表現力豊かな曲想は大いに感激した記憶がある。
そんなO・M氏であるから、単に『ワルツ』と言っても何種類ものワルツがあり(この曲のワルツはこういうイメージでこのテンポ、このダンスチームのワルツはこう)などなど社交ダンスの曲の演奏はO・M氏に任せれば万全という絶対的安心感をもたれていた。
0当然かのO・M氏も社交ダンスを踊らせたら俄ダンサーなど足元にも及ばない実力の持ち主であった。 ある社交ダンスコンテストの事、その当時から蔵前国技館を会場にしていたこの大会での話。主流は昔から「英国」スタイルをとっており、英国的審査基準から外れたペアは順位も大きく下がる。 コンテスト途中のアトラクションも英国のペアが模範演技よろしくデモンストレーション。00お世辞も多少あるが世界コンテストの、しかも選ばれた選手チーム大拍手、大喝采。 これが恒例であるが、その年も英国ペアがデモンストレーションで使う曲をO・M氏に注文。
よせばいいのにテンポその他を微妙に変えてきた。 これがO・M氏の感性に合わず「このダンスはこうだから、こうするとこのテンポで・・・・」と踊って見せ天下の英国ダンサーを納得させてしまった。 できた上での本物の演奏。
よき時代の大指揮者に合掌。
次回乞うご期待。
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